スペイン記 (6) 多国籍軍団、ナイトクラブに行く





スペイン記 (6)       - 多国籍軍団、ナイトクラブに行く  -





<多国籍軍団、ナイトクラブに行く>


明日の予定は決まっている。
明日は朝6時に起きて早朝の鉄道でダリの故郷フィゲラスへ行く。
そのために今日は60%くらいで切り上げて、10時くらいには寝よう。

だからサグラダから回り道せず帰ってきた。
明日の為に、もう寝よう。ゆっくり歯ブラシをして、ゆっくりシャワーを浴びて寝てやろう。

ホステルに帰ると、同じ部屋のブラジル人とホステルの廊下でばったり出会う。

「へーい、調子はどう?」
「良い感じだよ。そっちも元気?」
「いいよ、おっと、今からナイトクラブに行くんだけど一緒に来ない!?」
「ナイトクラブ?二人だけ?」
「他の奴らも、もうすぐ来るよ!」
「うーん、、、いいよ」
「よし決まりだな!今夜はバロセロナでナイトクラブだぁ!」


わかってる。わかってるんだ。明日は早いってことも、ナイトクラブへ行くということは、もうオールも覚悟ってことも。でもまぁ「行こうぜっ」て言われたらついて行っちゃうよなぁ。。。



10分ほどエントランスで待っていると、他のホステルの住人がのそのそとやってきた。

ブライアン「同じ部屋の女の子たちも誘ったんだけど、断られてよぉ」
ブラジル人「なんてこった」
スネイ「まぁいいじゃないか男だけで、はっはは」



多国籍軍団、メンバー

ブライアン・・・アメリカ人大学生
名無し・・・小太りのブラジル人
 T ・・・アジア系スペイン人 (僕が高校でよくいじってた友達 T に顔が似過ぎている)
スネイ・・・ロシア人   (ビール持参)
ハヤシ・・・明日6時起きの日本人


以上5名  VS    バロセロナのナイトクラブ




<踊る多国籍軍団>





いくつかの電車を乗り換えて着いたのは12時。
もう今日はオールやな。それもいい。

ナイトクラブに到着して、持ってた色々飲み干して皆で思い思いの木に向かって立ちションして、なんか電車周辺にたむろってた奴らとヘイヘイ言って、ブラジル人はウホウホ状態になってた。

少し並んで入場。
ロンドンのナイトクラブは寮の友達に連れて行かれたことがあるけど、バロセロナはまた違うんだろうか。中に入り僕たちは適当にカクテルを注文*。
(* 日本ではワタクシは未成年ですが、スペインでは飲酒は18歳から。よりまして、これより先に書かれる飲酒の表現に関するお問い合わせは一切うけつけておりません。)
それから多国籍軍団らしくナイトクラブで記念撮影*。
(*右端がワタクシです。)

それから僕たちは微妙に昆布みたいに体を揺らしながら、ぎこちなくナイトクラブにとけ込もうとする。
僕はもとから、こういうはっちゃけた場所は苦手なのでアレですけど、
さっきまでスゴい元気があった T も一気にしゅんとしちゃって、皆かなり狼狽していた。







ブライアンとスネイが少しずつエンジンがかかりだして楽しくなり始める。ブラジル人のおっちゃんはずっと ”ねえちゃん” ばっか見ていた。僕はなんとなく溶け込んだり溶け込まなかったりを繰り返しながらナイトクラブを楽しんだ。



3時過ぎにそろそろ疲れてきて帰ろうかという話になった。僕はどうせなら帰りたくなかった。6時までおって、寝ずにそのまま電車乗る方が楽やろって思ったから。一瞬でもベッドに横たわったら、起きたら昼って可能性も大やったから。もともと起きるのは得意ではない。でもまぁやっぱ帰ることになって3時半にナイトクラブを出る。バスに乗って僕はヨダレたらして寝てしまう。皆に起こされて起きてホステルに着いたのは5時。寝るかどうか迷って結局一時間眠る。





<ダリの故郷へ>




朝6時、一応起きることが出来た。
部屋は誰もいなかった。
薄暗い中で着替えを済ませて、どたばたと外に出る。





とりあえず電車を乗り継ぐ。フィゲラス行きのチケットは7時20分発。かなりギリギリになってしまった。電車はなかなか出発駅まで行かない。

7時10分、やっと駅に着いた。それで走って改札を出て、鉄道のホームまで激走する。
駅は案外でかくて、走っても走っても鉄道のホームと地下鉄のホームはかなり離れていた。やっと着いて駅員にチケット見せて改札を抜けようとすると駅員が一言、僕に告げる。

「その電車さっき行ったわー」

え、、、

もう行ったんか。7時21分。あんたらエライ時間に正確やなぁ。


チケットがただの紙くずになる。
それでチケット売り場に行って、もう一度チケットを買い直す。あと出発まで1時間半ある。もっとゆっくりベッドで寝たかったなぁ

コーラを買ってホームのベンチで次の絵の案を練る。
こういう時は絵のことを考えるのが一番や。良い案が浮かんだら、コノ1時間半もサンキューとなるやろう。

絵を描いてたらスグに鉄道がやってきた。
座席に座って、すぐに眠りにつく。






時計を見る。9時半、だいたい1時間くらい寝てたか。車窓を眺めると見渡す限り緑。路線図がどこにもないので、フィゲラスはもう通り過ぎたのか、まだまだ先なのかわからない。たぶんまだやろうということで、またゆっくり眠ったり起きたりを繰り返す。10時になり太陽がぎらぎらと輝くので暑くて眠れない。車内にはペルー人の家族連れのような人々が僕の斜め前に5人と後ろに2人乗ってるだけだった。







もうそろそろかと待っていると、ようやく鉄道はフィゲラスに到着する。
そう、いよいよダリの故郷にやってきたのだ。

フィゲラス、ここでダリは生まれた。
ダリのホームを踏む。ダリの空気を吸う。
ダリの場所に立っている。そう想うと自然と涙が流れてきた。

いや、嘘です。あいにく僕は鈍感なのでそんなロマンチツクなコトはなく。

駅のトイレに行って顔を洗う。それで帽子をかぶって、いつも通り町マップを見ながらダリ美術館を探す。それから駅の近くでダラダラとケバブを食べてコーラを飲む。腹ごしらえも終わったし、ほなぼちぼちいきましょか、ダリの住処へ。

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