油と壁

最近、油絵の具に凝ってる。
雑記帳には次の画のアイデアが10数個ある。
数日前に『分裂気質』と『通勤の逃避行』が完成し、
今日もまた『浮遊病者(仮)』が出来上がった。
短編小説を読んでるかのような画を描きたい。
この何日か安部公房の『壁』を読んでる。
最近の油絵の作品群は安部公房にだいぶ影響された。
『壁』は一言で言うと意味の分からんお話。
それは脳で読むというより感覚で読まなくてはならない。
その点ではルイス・キャロルのアリスに似ている。
オチとかクライマックスとか無視して淡々とイメージのしりとりをしている。
面白いとかつまんない、理解できる理解できないの世界じゃない ”浮遊感”、読んでるうちに浮いてるって感覚になる。
それは脳なのか身体なのか何なのかわからん。

日常たんたんと流れる正常であることの異常さ。

『壁』を読んで僕は安部公房という作家のイマジネーションに感動した。

夜、寝る前にベッドの上で、
地下鉄4つ橋線の電車の中で、ほんの数分、ページをひらく。
肌色と黄色のちょうど間くらいの色の空に浮く自分に遭遇する。

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