九州一周 by bicycle 4日目 鹿児島 → 桜島一周 → 指宿

9時、ゆっくり起きて桜島でも一周するか〜と思った。桜島は僕が昔から行ってみたかった場所で今回もそれを楽しみにしてた部分もあった。なんかビュンビュン福岡、佐賀、熊本を通り過ぎてまだ4日目、本当は今日まだ水俣くらいと思ってたから1日早めで来たのでちょっとゆっくるするか、と思った。









桜島フェリーに乗り込んで初めて僕はその火山灰吹き荒れる”桜島”というものをこの目でみた。船から下りて、全く桜島知識0の僕はとりあえず何でも一周すりゃぁいいんやろっていう気でいたので勇んで小さな一周の旅に出た。途中にはメキシコ的な火山灰の灰色と植物の褪せた緑の成す風景、ぼろぼろに崩れたコンクリート工場の荒廃感、桜島の景色は見るものどれも僕の嗅覚を刺激した。

ところが、

ところが、の話はのらりくらりと襲ってきた。走り出して30分くらいたったら急に”飽き”が胸いっぱいに充満して1時間くらいたつと、もう終わるやろもう終わるやろと唱えるようになり、そこから30分過ぎて、ようやく半周にさしかかったという事実を知ると何だかやるせない無意味感に支配されて誰もいないアスファルトの道のど真ん中を叫びながらこいでいた。なんといっても桜島はいつまでもいつまでも坂が続く。ほとんど坂を登ってた記憶しかない。途中で誰もいない道を向こうから移動販売車がやってきた。最初、そこからともなく日本民謡系+がちゃがちゃのただただうるさい音色が向こうから聞こえてきて、それが移動販売車から鳴り響いてると気付いたのは移動販売車とあと10Mくらいに接近した時で、目の前に来たときには耳を突き刺すような爆音が鳴り響いて、僕は思わず「うるさいねん!」って怒鳴ってた。何事も無かったかのように過ぎ去る移動販売車と奇妙な日本民謡の音色、どっと桜島に対する嫌気がピークに来た。幾度となく、その小さな一周をしだしたことを後悔した。朝9時から同じ場所にずっと停滞してただ疲れていってるだけの無意味さにイライラして早く港に着け、早く港に着けと願った。1時になってようやく港に着いた。正直いままででこの3時間が一番辛かった。桜島の方々には申し訳ないけど、もう二度と行くかと思った。
フェリーに乗り込んで鹿児島に戻る。疲れきって椅子にもたれては〜とため息をつく。無駄に筋肉を消耗させてしまって、太もものエネルギーも底をつき限界に達していた。今日は指宿まで行って、指宿名物の砂むしに入ってもう一回体をリセットしなければもうもたないと感じた。

鹿児島について3時間くらい走った時、自転車のガムテープで補強してた部分がまた調子悪なって、あかん、あかんって言ってきた。とりあえずガタガタ、ズーズー、ジージーとうめく彼は放っといて、たまに彼を蹴ったりして無理矢理動かした。彼が車輪をまわす度にギーギー言って、俺は俺で疲れてうめいて、次は彼がブシュッと分裂して地面をたたいてギャシャーギャシャーギュリリリと泣いて、俺がいらついてもう一度接合して「動け」って命令してこぎだすとまた彼がカンカンだだをこねだして無視すると次は分裂してジィジィジィーギリリリリ、それからビヨヨンと鉄線で飛び出す。イライラとガチャガチャで頭がふらふらして指宿への道が途方もなく向こうにある気がした。

着いた。

ガムテープを借りて奴をグルグルに手当てしてやった。

砂むしに入ることにした。砂むし、気持ちよかった。
遅い時間だったのでお客は誰もいなくて本当に良かった。
もうこのままで良いと思った。

10分くらいすると気持ちよさに飽きて早く出たいと亀みたいに首をあげてみたりした。起き上がると太ももの筋肉痛がとれた気がした。

温泉に入る。昨日はシャワーでその前は忘れた。その前の前もシャワー、湯船につかって安心した。しかし安心したのも束の間、日焼けで軽やけどの手が浸けれなくてどこで出来たかわからない傷たちも至福の時間を邪魔してきた。
コインランドリーに行って全部洗ったった。それまで手揉みで全部洗ってたから、コインランドリーから出てきた何の匂いもしない服たちが愛しくて感動した。この4日間かの旅の中で一番幸福を感じた瞬間だった。

明日のために寝る。明日は指宿か対岸の大隅にフェリーで渡る。フェリーは朝の8時から出てるから、明日は6時には起きよう。6時に起きてカップラーメン食べて30分くらい港まで走って船に乗り込もう。とりあえず寝る。



走行距離 約 90 km
走行時間 約 7 時間

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